2022-01-01から1年間の記事一覧

大津絵/千手観音菩薩

今日は主人の祥月命日 恒例の『千手観音菩薩』を投稿します 9年経ちましたが主人のいない生活は寂しいものです でも少しずつ慣れていく私に申し訳なさを感じています 大津絵に対して一番の理解者が主人でした 大津絵=主人なのです 今 細々とでも大津絵を続…

大津絵/雷の太鼓釣り

一か月ぶりに教室に出席しました 暑さに負けてしまいそうな今日この頃です 夕立でもあればと思っていましたところ 今朝雷が鳴り 停電もあり 今は雨が降っています 北は洪水 南は台風 全国的に高温 夏はどう進んでいくのでしょう この画題についてのポイント…

大津絵/矢の根・いろはカルタ『う』

最近まで『うたた寝の五郎・・・・』の意味を理解しようともしていませんでした 歌舞伎の「矢の根」を知っていたら なんでもないことなのです 自分の勉強不足を反省して この句を作ってくださった方をリスペクト 歌舞伎「矢の根」は 矢の根=やじりを研ぐ曽…

大津絵/煙草のむ女・いろはカルタ『む』

美人画かもしれませんが 風刺画にしました [道歌]の題に「煙草によする無常」と書かれてあり 何故か生活感が感じられる絵なのです このカルタに関して今回気になったことは むらさき という言葉です 調べてみて「紫煙(しえん)」という言葉が 煙草の煙をさす…

大津絵/頼光(らいこう)・いろはカルタ『ら』

源頼光(みなもとのよりみつ)ですが 「らいこう」と読むのに慣れてしまっています 大江山の鬼退治で有名です 京都で大暴れしていた酒呑童子が棲家としていたのが大江山 そこへ酒呑童子(=鬼)を打ち取りに行き その帰りの姿のようです この絵のお気に入りは 鬼…

大津絵/鬼と柊・いろはカルタ『な』

この絵は本当に苦手です 鬼が描きづらくてずっと避けていました 節分間近になると教室での画題にあがりそうでした しかし節分と言えば「福は内」や「福は外」の画題になり 内心ホッとしていました 柊(ひいらぎ)に鰯の頭を突き刺しています それをくわえた鼠…

大津絵/竹に虎・いろはカルタ『ね』

今年は「寅年」でもあって 大津絵に関しては出番の多い絵でした 勿論 私も年賀状に使いました 正直描くたびに 虎が猫風になってしまいます 可愛いのは悪くはありませんがやはり虎には精悍さを求めてしまいます この絵の気遣い所は 竹即ち笹の描き方だと思い…

大津絵/山乗り弁慶・いろはカルタ『つ』

釣鐘弁慶とも言われそうですが 確かに「ひゑい山」即ち「比叡山」の上にいます 三井寺から奪った釣鐘を今まさに放り投げようとしています 釣鐘が「帰りたい」と言うのに腹を立てての行動だそうです 何故奪ったのでしょう ただ単に力自慢を見せつける為だけの…

大津絵/外法と大黒の梯子剃り・いろはカルタ『そ』

外法(げほう)とは 長頭翁であり 福禄寿(寿老人は元々福禄寿と同一のものといわれる)と見てもいいと思います 長い頭に梯子をかけて毛を剃っている大黒様 裸で一生懸命な姿です ほほえましい雰囲気で思わずこちらが笑顔になります 大津絵十種にも入る人気の絵…

大津絵/花売り娘

美人画です 立ち姿を美しくと願い描きました うまくいったでしょうか 教室は相変わらず緊張もありますが 集中できる場所です その場で描いた絵を投稿していますから ツッコミどころも多々あると思いますがそこのところはお心広く見ていただけると嬉しいです …

大津絵/千手観音菩薩・いろはカルタ『れ』

仏画の中で「法蔵菩薩」の次に好きな絵です 錫杖(しゃくじょう)が手から蓮台まで通って描けたときはご機嫌です 全体を見て左右対称の雰囲気は 仏画によくあります 朱の光背(こうはい)を描く時は気合いです 仏画を描くと気持ちがやさしくなったように思ってし…

大津絵/座頭・いろはカルタ『た』

大津絵十種にも入っている絵です 正直言って風刺画としての「座頭」は あまり好きではありません 以前聞いた解釈が からかいを感じさせるものでした いろんな解釈があると思いますが [道歌]を読んでいただいてご理解ください [道歌]犬などになぶらるるも何故…

大津絵/文よむ女・いろはカルタ『よ』

この絵に夢中になった理由は 文の文字を書きいれたい一心でした 文章にならなくてもよいとのアドバイスでしたが 自分なりに考えた結果です その時の気分もあり 心地よく文字を入れたようです 「一筆申し上げたく………」と筆を走らせたと思いますが 恥ずかしな…

大津絵/雷の太鼓釣り・いろはカルタ『か』

雷様の出番の季節になりましたが その前触れのように雷鳴を聞き 停電もありました もう間もなく梅雨に入るのでしょうか 今日はとても暑いのです 『雷の太鼓釣り』は 大津絵の中でも広く親しまれている絵のひとつです 習い始めの頃 雷の持つ錨と稲妻を描くと…

大津絵/隼(はやぶさ)

二カ月ぶりに 教室に出席しました そして 画題は苦手な鳥 筆が動くか不安でしたがなんとか二枚描きあげられ ホッとしました 久しぶりの緊張感を楽しめました やっぱり大津絵大好きです 描き始めると夢中になれます 心地よい疲れが残りました

大津絵/若衆・いろはカルタ『わ』

奇をてらう とは わざと変わった事をして他人の注意をひきつけようとすること 白塗りの顔をした姿は 傾奇者(歌舞伎者)の如く 充分人の気をひきます 今なら ビジュアル系ですね 美しいものは美しい……

大津絵/鶏・いろはカルタ『を』

この絵のお気に入りは 雄鶏の尾です 尾を描く時は少し緊張してしまいます 鶏と太鼓 どちらも時を告げることで共通しています 面白い取り合わせです [道歌] 朝おきをすればいつでも心よし おきねばわるい病とぞなる

大津絵/鬼の行水・いろはカルタ『る』

雷の行水 鬼の入浴 鬼の行水 と いろいろ名付けられていますが 「鬼の行水」を選びました 『鬼』に分類しましたが やはり『風刺画』でしょうね 鬼でさえ お風呂に入る時は褌を黒雲にあずけているのです 人の姿を真似ているようで愉快な絵だと思います [道歌]…

大津絵/瓢箪鯰・いろはカルタ『ぬ』

またもや猿が登場しました 瓢箪で鯰を押さえようとしています 方法が間違っていますよね それでも押し通してしまう姿が猿知恵と言われてしまうのです この絵も数種類ありますが 私のお気に入りの猿です [道歌] 瓢箪に似たる思案の猿知恵で いつ本心の鯰押さ…

大津絵/藤娘・いろはカルタ『り』

大津絵と言えば「鬼の寒念佛」と「藤娘」が断然トップだと思います 習い始めは「鬼の寒念佛」そして「藤娘」と進んでいきました 二つとも種類が多く中でもこの「藤娘」には手こずった記憶があります 目鼻が一番の悩みでした でも練習しかないとひたすら描き…

大津絵/釣鐘提灯・いろはカルタ『ち』

猿知恵とは何か 利口のようで間の抜けている考え・たくらみ 浅はかな知恵 やはり猿の姿は人間そのものなのです 江戸の心学者が大津絵を用い 人々に道徳を問うていたと思われます それが [道歌] として残り 今に伝わっています [道歌] 身をおもふ思いはおもく…

大津絵/猫と鼠の酒盛り・いろはカルタ『と』

この絵は風刺画としてよく理解していただけると思われますが 如何でしょうか 酒を飲む猫の絵もありますが どちらにしても同じ様な教えを示しています [道歌] 聖人の教えを聞かず 終(つい)に身を ほろぼす人のしわざなりけり [道歌] だまされてまたその上に精…

大津絵/長刀(なぎなた)弁慶・いろはカルタ『へ』

長刀弁慶は何種類かあり その外に山乗り弁慶 釣鐘弁慶と様々な弁慶があります この絵を選んだ理由は 教室での出番が少ないことと静かな表情の中に闘志を感じられるからです 陸奥の国 今の岩手県の「衣川(ころもがわ)の戦い」での 弁慶の立ち往生を思い浮かば…

大津絵/狐と馬・いろはカルタ『ほ』

動物の中でも特に馬は苦手です この絵に関してはまだ描きやすいのですが 実物の馬に似せて描いている大津絵もあります 馬の脚 尻尾が私にとっては難関です もう一つの難関は この絵の[道歌]の解釈です [道歌] 乗るまじきものに乗るのはみなきつね 落ちてこん…

大津絵/恵比寿・いろはカルタ『に』

大黒様と恵比寿様は ご存知の通り「七福神」のお仲間です しかし恵比寿様は唯一日本の神様だと聞いています 烏帽子(えぼし)姿に釣り上げた鯛を抱え 満面の笑みの恵比寿様は 商売の神 福の神 身近で親しみやすい神様です 先日『チコちゃんに叱られる』で 七福…

大津絵/天狗と象・いろはカルタ『は』

本来違ったものを比べることは愚かで空しいと訴えているかのようです 江戸時代 象の行列は長崎から京都へ 天皇に拝謁し東海道をくだり江戸へ その道中を見たであろう大津絵師の愉快な発想 象の鼻の長さに驚き 鞍馬の天狗を登場させたのでしょうか 勝手な想像…

大津絵/大黒・いろはカルタ『ろ』

大黒様です もともとインドの暗黒の神と聞いています それが仏教の守護神となり いつしか台所の神となっています 七福神の仲間にも入り 今や福の神 頭に大黒帽子 大きな袋を背負い 打出の小槌を持ち 米俵の上に立つ姿がとても身近な神様だと思います 句は欲…

大津絵/鏡みる女・いろはカルタ『い』

今 長い春休みをとっています 理由はありません また復活します これを機会に 以前「いろはカルタ屏風」制作の為に描きあげた48枚の大津絵を投稿したいと思います 美人画に分類しましたが 鏡に映る険しい顔をみると 風刺画に入れたくなります この絵のお気…

大津絵/文よむ女・実演画その8

実演画はこれで最後です 「文よむ女」は私にとって実演画の集大成(ちょっと大げさ)でした 色を置き終わると八割程の完成が見えますから 内心ほっと一息つきます 特に文の白色を置くところは第一の集中です 第二の集中はやはり文字でしょうか この絵を実演画…

大津絵/鷹匠(たかじょう)・実演画その7

私は長らく「鷹匠」を タカショウ と言っていましたが 正しくは タカジョウ なのです お恥ずかしいかぎりm(__)m 実演画のひとつにこの絵を選んだ理由は覚えていませんが 今考えると微妙に難しい絵だと思えます 何れにしても当時の気力はMAXだったのかもしれ…